
親子間の不動産名義変更について・贈与税の基本と非課税にする方法

不動産を所有・取引する際にはさまざまな税金がかかりますが、親子間のやり取りであっても「贈与税」の課税対象となるケースがあります。
「親子だから大丈夫」「売買契約を結んでいるから大丈夫」と思っていても、思わぬ課税が発生することがあります。この記事では、不動産の贈与税の基本や親子間で課税される主なケース、そして税負担をゼロまたは最小限に抑えるための具体策をわかりやすく解説します。
1. 親子間でも発生する「不動産の贈与税」とは?
贈与税とは、個人から無償で財産を受け取った際に課される税金です。
生前に不動産や資金の贈与を受ける場合、課税方法には以下の2種類の制度があり、贈与者(親など)ごとに選択できます。
贈与税の2つの課税制度
| 制度名 | 概要・控除枠 | 特徴・注意点 |
暦年課税 (原則的な課税) | 1年間(1月〜12月)に受け取った財産の合計から毎年110万円を控除 | ・年間110万円以下なら非課税・申告不要。 ・110万円を超えた部分に累進税率がかかる。 ・相続開始前7年以内の贈与は相続財産に加算される(持ち戻し)。 |
相続時精算課税 (選択制の課税) | 累計2,500万円までの特別控除+年110万円の基礎控除 | ・【税制改正】 2024年以降、年110万円の基礎控除が新設(申告不要・相続加算なし)。 ・2,500万円を超えた分は一律20%課税。 ・一度選択するとその親からの贈与は暦年課税に戻せない。 |
親子間での取引で特に注意したい、贈与税が発生する代表的な2つのケースです。
① 土地や建物の名義変更を行った場合
対価(お金)を支払わずに不動産の名義を親から子へ変更した場合、「財産を無償で渡した」とみなされ贈与税の対象になります。不動産の評価額(路線価や固定資産税評価額などを基に算出)から控除額を引いた金額に対して課税されます。
② 著しく低い価格(みなし贈与)で譲り受けた場合
形式上は「売買契約」を結んでいても、相場より著しく安く買い取った場合は「みなし贈与」と判定されます。適正な時価と実際の売買価格との「差額分」が贈与されたとみなされ、その差額に対して贈与税がかかります。
✓適正価格の目安
一般的に時価(市場価格)の80%程度以上であれば売買として認められやすいとされていますが、著しく低いと税務署に判定されるリスクが高まります。専門家(税理士や不動産鑑定士)へ事前に適正価格を確認することが重要です。
3. 親子間の不動産贈与税を非課税・節税にする3つの方法
条件を満たすことで、親子間での不動産・資金の贈与を非課税・低税率にする主な特例・制度をご紹介します。
親子間で活用できる主な非課税制度・特例
| 制度・特例の名称 | 内容と非課税枠 | 活用できるケース・条件 |
| ① 相続時精算課税制度 | 特別控除2,500万円 + 年110万円基礎控除 | 将来の相続時にまとめて精算したい場合。贈与者が60歳以上の親・祖父母、受贈者が18歳以上の子・孫が対象。 |
| ② 住宅取得資金贈与の特例 | 省エネ等住宅:最大1,000万円 一般住宅:最大500万円 | 子や孫(18歳以上)が自ら住む住宅の新築・購入・増改築費用を親や祖父母から援助してもらう場合。(※適用期限:2026年12月31日まで) |
| ③ 教育・結婚・子育て資金の一括贈与 | 教育資金:最大1,500万円 結婚・子育て資金:最大1,000万円 | 子や孫の将来の教育費や結婚・出産・育児費用として一括で資金援助する場合。(専用口座の開設や領収書の提出が必要) |
まとめ
不動産の贈与税は、無償での名義変更はもちろん、相場より著しく安く買い取った場合(みなし贈与)にも発生します。
親子間で不動産やその購入資金を受け渡す際は、「相続時精算課税制度の最新の基礎控除枠」や「住宅取得資金贈与の特例」などの制度を正しく理解し、適切に組み合わせることが節税のカギとなります。価格設定や特例の適用要件(申告手続きの有無など)には注意点も多いため、実際に進める際は税理士や専門家に相談しながら計画を進めましょう。
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