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中古戸建の築年数で価値はどう変わる?売却前に知りたい解説をご紹介

不動産売却について

横井 一徳

筆者 横井 一徳

不動産キャリア27年

丸美産業株式会社の横井一徳と申します。
居住用の土地・戸建・マンションから、事業用不動産など
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中古戸建の売却を考えた時、「築年数が価値にどの程度影響するのか」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。実は築年数によって建物の評価や売却価格は大きく変わります。本記事では、戸建て住宅の築年数と価値の関係を分かりやすく整理し、売却の際に知っておきたいポイントや注意点も丁寧に解説します。大切な資産を納得して売却するための第一歩として、ぜひご覧ください。

築年数が資産価値に与える影響についての基本

中古戸建てを売却するとき、まず理解しておきたいのは「築年数が資産価値に与える影響」です。建物価格は年月とともに減少し、法定耐用年数に近づくほど建物価値は目に見えて下がります。例えば、木造住宅では法定耐用年数が22年とされ、これを超えると税務上の価値はほぼゼロになり、土地の価値が中心になるケースが多くなります。

項目内容影響の程度
築年数の進行時間が経つほど建物劣化や設備の老朽化が進行価値の漸減
法定耐用年数木造:22年、RC造:47年など年数経過での評価基準減
設備や需要設備の古さや市場ニーズ低下が価格に影響価格下落に直結

上記表の「築年数の進行」は、建物の構造や部材の劣化による評価の低下を示しています。これは、原価法に基づく再調達価格と残存耐用年数によって建物評価額が算出されるからです。また、「法定耐用年数」は税務上で定められた数値であり、築年数がこれを超えると建物の評価が一気に厳しくなる傾向があります。

さらに、築年数が進むと設備の劣化だけでなく、買主側から見たニーズや耐震基準などの市場環境も影響しやすくなります。これにより、見た目以上に価値が下がるため、売却時には築年数だけでなく状態や需要に応じた説明が重要です。

築年数別の価値推移と売却価格の傾向

中古戸建ての売却価値は築年数によって大きく変わりますが、傾向を理解すれば売却時期の検討に役立ちます。数字で示されると理解しやすく、ご自身の物件の参考にもなります。

築年数帯価格の目安特徴・傾向
0〜5年(築浅)ほぼ新築時の価格設備・耐震基準ともに高く、買い手から人気です(首都圏では約5,310万円)
11〜20年築浅より10〜20%下落内装や設備の劣化が目立ち、売却価格に影響が出始めます
20年以上(特に25〜30年超)建物価値はほぼなくなり、土地中心の価格に法定耐用年数が過ぎるため、土地価格が取引を左右します

まず、築0〜5年の築浅戸建ては、新築同様の魅力があり、首都圏では約5,310万円という高価格帯で取引されることが多いです。市場でも需要が高く、価格の下落が小さい傾向にあります。

次に、築11〜20年の物件では、築0〜5年に対して10〜20%ほど価格が下落するケースが多いです。築11〜15年は内装や設備の劣化が進み、15〜20年になると水回りなどの更新が必要になることも価格に影響しています。

さらに築20年以上、特に築25〜30年を超えると、建物自体の価値はほとんどなくなり、土地中心の価格構成になります。法定耐用年数(木造22年など)を超えた物件は「古家付き土地」として取引されることが一般的です。このため、物件の立地や土地の特性が売却価格に直結する傾向があります。

築年数別に見る売却価格の実例と傾向(数値データ中心)

首都圏における中古戸建ての取引実績を見ていくと、築年数が進んでも「意外と値がついている」事実が浮かび上がってきます。例えば、築5年未満の平均成約価格は5164万円、築25年以上でも4407万円と、築古であっても土地の価値が支えとなって一定の価格を維持している様子がうかがえます。

築年数首都圏平均成約価格(万円)
~築5年5,164
~築10年4,871
~築25年超4,407

この表から、築25年以上でも築浅との差はさほど大きくないことが分かります。もちろん建物の価値は下がりますが、土地の価値が強いため、売却価格も安定傾向にあります。

続いて、全国の中で首都圏が特に高い価格帯にある点にも注目です。全国中央値は築20年で約2950万円、築30年で約1880万円であるのに対し、首都圏ではそれぞれ43%〜50%近く高くなっており、地域差が非常にはっきりしています。

また、築20年以上でも「高値で売れた」という事例もあり、たとえば駅近や人気エリア、しっかり管理された物件であれば古くても評価される傾向があります。実際、地方においては古民家人気により築古に価値がつくケースも出ています。

以上の結果から、築年数だけで価値を判断するのではなく、土地の立地や管理状態なども含めて総合的に判断することが重要です。当社では、こうした築年数による傾向を踏まえつつ、各物件の特性に応じた査定・アドバイスをしています。ぜひ安心してご相談ください。

築年数に応じた売却戦略のポイント

築年数の異なる中古戸建を売却する際は、それぞれに応じた戦略を立てるのが大切です。以下に築年ごとのポイントと、売却準備として欠かせないインスペクションや情報整理の取り組みをご紹介します。

築年数帯 売却方針のポイント 備えるべき対策
築10年以内 設備や内装の良好さをアピール。高値維持が期待できる 住宅設備の保証や清掃状態を確認し、内覧時に印象よく見せる
築11~20年 価格下落が始まる時期。適正価格設定と設備状態の説明が鍵 小規模な修繕で印象アップ。専門家による診断書(インスペクション)を活用
築20年超 建物の価値は低く、土地価格重視。適切な買主とのマッチングが重要 インスペクションで安心感を、耐震証明や瑕疵保険で信頼性を高める

まず、築10年以内は内装や水回りなど設備の新しさが強みとなりやすいため、保証の残存や清掃の徹底をアピール材料にすると効果的です。築11年~20年では、築浅ほどではないもののまだ住みやすさを保っており、適正な価格設定と状態説明が成功の鍵となります。築20年を超えると、建物そのものよりも土地の価値が主体になる傾向があり、慎重な売却戦略が必要です。

いずれの築年数にも共通して重要なのは、ホームインスペクション(住宅診断)や耐震証明の活用です。専門家による診断や証明書があれば、買主にとって安心材料となり、高値売却や交渉力の向上につながります。特に築古物件では、こうした客観的な資料が効果を発揮します(築26年以上でも、インスペクションを受けることで買主の安心を得られるとの指摘があります)。

また、売却準備として「築年数」「構造」「修繕履歴」などの情報を整理しておくことも欠かせません。これらを明記した資料を査定依頼時にまとめておくと、不動産会社とのやり取りがスムーズになります。査定結果の比較を通じて、信頼できる仲介先を選べば、適正価格での成約に近づけます。

リズムよくお伝えしましたが、どの築年帯でも「信頼を築く」「買主の不安を取り除く」戦略が成功の鍵です。ホームインスペクションによる客観的情報と、きちんと整理された物件データを揃えて、売却に臨んでください。

まとめ

中古戸建の売却を考えるうえで、築年数は資産価値や売却価格に大きな影響を及ぼします。築年数が浅いほど建物の価値が残りやすく、築20年を超えると土地部分の価値が重視される傾向があります。しかし、地域差や物件の状態によっては築年数が経過していても十分な価格で売れる例もあります。築年数ごとの特徴や必要な準備を理解し、適切な売却戦略を立てることで納得のいく結果が得られます。安心して売却に進むためにも、早めの情報整理と準備が大切です。


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